愛される日本文化。毛嫌いされる日本の企業文化。
これまで私はインド、中国、シンガポールなどアジアの国々を中心に住んだ経験がありますが、いずれの国でも日本に対する人気はーーそれこそあの中国のなかでさえーー高かったように思います。
私が住んでいるシンガポールでも、日本食も、日本製のカメラも車も、日本への旅行(たとえば北海道)などどれをとってもそこそこの人気ですが、その反面、毛嫌いされているものがあります。それは、日本企業へ就職すること、です。
日本企業向けの採用コンサルティングのビジネスをしている、と伝えたうえで日系企業に対する印象を聞くと、
・上司が帰るまで家に帰れない
・残業を不必要に強いられる
・外国人は出世できない
など一様にネガティブな反応が帰ってきます。これらは、実にそのとおりである部分がある反面、近年の外国資本の企業買収や海外への積極展開などの影響で、日本企業も確実に変化しているといえる面があります。実際、外国人を積極採用したり、経営層に登用する企業も確実に増えてきていますが、こうした取り組みはあまり現地の人々には認知されていないようです。
ジャパンブランドは確固たるものが確立されていながらも、それが日系企業の採用ブランドに直結されていない現状はやはり勿体無いことです。日本企業に就職することが「イケてる」チョイスだと、たくさんの人に思ってもらえるようになったらいいですね。
わたしも仕事を通じて、少しずつ改善するのに貢献していきたいと思います。